Pioneer F-500

Pioneer F-500 をゲット!

2009年5月2日、 Pioneer F-500 の中古を2,000円で入手しました。

普段はアナログチューナーは取り扱わないのですが、借用した F-500 を調整して使ってみたところ、素晴らしい音質に感激しました。

そこでアナログチューナーのリファレンス機として F-500 を所有したくなったのです。 これがアナログ地獄の一丁目にならなきゃいいが・・・



早速、程度&動作チェック

  1. 外観

  2. 入手した状態のまま電源 ON してチェックしました



カバーを開けてみました

  1. 基板の作りは良く、部品が綺麗に整然と並んでいます。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. IC を使用して合理化が図られています。

    メーカ IC 機能
    HITACHI HA1197 AM Tuner
    HA1201 FM IF Amplifier
    NEC uPC1163HA FM IF Amplifier
    uPC4558C High Performance Dual Operational Amplifier
    Pioneer PA3007 FM IF System
    PA4006 FM PLL MPX & Muting
    PA5001 OSC & Mixer
    PA5002 Digital Detector

  3. 構成について

  4. FM フロントエンドは以下の構成で、なかなか立派です。 回路図は TX-9800 のフロントエンド部分ですが、たぶん同じでしょう。

  5. FM IF 部

  6. パルスカウント検波部は [PA5001]+[PA5002] で構成します。 [PA5001] で IF 周波数を 10.7MHz−9.44MHz=1.26MHz に変換します。 この 1.26MHz を [PA5002] でパルスカウント検波します。

  7. MPX 部は ダイレクトスルー MPX と呼ばれ、[PA4006] で構成します。 パイロット信号キャンセラー回路があります。

  8. AM 部は [HA1197] で全てを構成し、回路は TX-9800 とよく似ています。

  9. 使用 IC のロット番号より、この F-500 は1979年製と判明しました。



修理&クリーニング



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. F-500 のプリント基板には部品番号がシルク印刷されていません。 そこで、調整手順で使用する調整ポイントの部品番号を以下のように適当に振りました。



  2. FM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 F-500 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - FUNCTION : FM
    REC LEVEL CHECK : OFF
    MPX NOISE FILTER : OFF
    FM MUT/LOCK : OFF (MONO)
    - -  
    2 76MHz 30〜60dB
    変調 : MONO 400Hz
    76MHz 受信
    FM IF BAND : NARROW
    L5 S メータ = 最大  
    3 90MHz 30〜60dB
    変調 : MONO 400Hz
    90MHz 受信
    FM IF BAND : NARROW
    TC5 S メータ = 最大  
    4 - - - - 手順2と3を数回繰り返す OSC トラッキング調整
    5 76MHz 20dB
    変調 : MONO 400Hz
    76MHz 受信
    FM IF BAND : NARROW
    L1
    L2
    L3
    L4
    S メータ = 最大  
    6 90MHz 20dB
    変調 : MONO 400Hz
    90MHz 受信
    FM IF BAND : NARROW
    TC1
    TC2
    TC3
    TC4
    S メータ = 最大  
    7 - - - - 手順5と6を数回繰り返す RF トラッキング調整
    8 76MHz 20dB
    変調 : MONO 400Hz
    76MHz 受信
    FM IF BAND : NARROW
    T1
    T2
    T3
    S メータ = 最大 IF 調整
    9 76MHz 30dB
    変調 : MONO 400Hz
    76MHz 受信
    FM IF BAND : WIDE
    - S メータ = フレを記録  
    10 76MHz 30dB
    変調 : MONO 400Hz
    76MHz 受信
    FM IF BAND : NARROW
    VR1 S メータ = 手順9と同一 IF NARROW GAIN 調整
    11 76MHz 90dB
    変調 : OFF
    76MHz 受信
    FM IF BAND : WIDE
    T4 T メータ = センター(ゼロ) FM 同調点調整
    12 76MHz 90dB
    変調 : OFF
    76MHz 受信
    FM IF BAND : WIDE
    T5 R1 (100Ω) 電圧 = 最大 パルスカウント検波調整 (1)
    シンクロスコープで観測
    13 76MHz 90dB
    変調 : OFF
    76MHz 受信
    FM IF BAND : WIDE
    T6 TP1 = 1.26MHz パルスカウント検波調整 (2)
    周波数カウンタで測定
    14 76MHz 90dB
    変調 : OFF
    76MHz 受信
    FM IF BAND : WIDE
    VR2 TP4〜TP5 間電圧 = 0V パルスカウント検波調整 (3)
    15 83MHz 40dB
    変調 : MONO 400Hz
    83MHz 受信
    FM IF BAND : WIDE
    VR3 S メータ = 4.6 S メータ調整
    16 83MHz 20dB
    変調 : MONO 400Hz
    83MHz 受信
    FM IF BAND : WIDE
    FM MUT/LOCK : ON
    VR4 ミューティングがちょうど ON になるよう調整 ミューティングレベル調整
    17 83MHz 90dB
    変調 : MONO 400Hz (100%)
    83MHz 受信
    FM IF BAND : WIDE
    - オーディオ出力電圧 = レベルを記録  
    18 - - REC LEVEL CHECK : ON VR5 オーディオ出力電圧 = 手順17の1/2 (-6dB) REC LEVEL CHECK 調整

  3. MPX 部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 F-500 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - FUNCTION : FM
    REC LEVEL CHECK : OFF
    MPX NOISE FILTER : OFF
    FM MUT/LOCK : ON
    - -  
    2 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : OFF
    変調 : OFF
    83MHz 受信
    FM IF BAND : WIDE
    VR6 TP3 周波数 = 76kHz±200Hz VCO フリーラン周波数
    周波数カウンタで測定
    3 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : OFF
    83MHz 受信
    FM IF BAND : WIDE
    VR7 オーディオ出力電圧 = 19kHz 成分最小 パイロットキャンセル調整
    4 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : R ch. only 1kHz
    83MHz 受信
    FM IF BAND : WIDE
    VR9 L ch. オーディオ出力電圧 = 最小 WIDE セパレーション調整 (L←R)
    5 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : L ch. only 1kHz
    83MHz 受信
    FM IF BAND : WIDE
    VR10 R ch. オーディオ出力電圧 = 最小 WIDE セパレーション調整 (R←L)
    6 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : R/L ch. only 1kHz
    83MHz 受信
    FM IF BAND : NARROW
    VR8 L/R ch. オーディオ出力電圧 = 最小 NARROW セパレーション調整

  4. AM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 F-500 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - FUNCTION : AM
    REC LEVEL CHECK : OFF
    AM IF BAND : NARROW
    - -  
    2 600kHz 60dB 600kHz 受信 TA1 S メータ = 最大  
    3 1400kHz 60dB 1400kHz 受信 TCA2 S メータ = 最大  
    4 - - - - 手順2と3を数回繰り返す OSC トラッキング調整
    5 600kHz 40dB 600kHz 受信 バーアンテナのレバー S メータ = 最大  
    6 1400kHz 40dB 1400kHz 受信 TCA1 S メータ = 最大  
    7 - - - - 手順5と6を数回繰り返す RF トラッキング調整

  5. 調整結果

    1. 製造後30年を経過している割には、全体にそれほど調整ズレはありませんでした。(2009年5月現在)

    2. 入手直後の状態チェックでセパレーションが出ている(40dB 以上はあるだろう。)と感じていましたが、調整前の実測で L=43dB / R=53dB ありました。 やはり自分の耳は信用できます。

    3. FM ステレオセパレーションなどは以下となりました。 良好な数値です。

      項目 IF BAND L R 単位
      ステレオセパレーション WIDE 60 61 dB
      ステレオセパレーション NARROW 51 52 dB
      パイロット信号キャリアリーク - -75 -75 dB
      オーディオ出力レベル偏差 (MONO) WIDE 0 -0.05 dB
      REC LEVEL CHECK 信号 - -6.37
      316.4Hz
      -6.35
      316.4Hz
      dB



使ってみました

  1. アナログチューナーもなかなか良いですね。 特にフロントパネルの照明が独特な雰囲気を醸し出します。

  2. 機能関連

  3. FM はビックリするほど良い音!

  4. AM は十分な感度とそれなりの音質です。 AM で IF バンドを WIDE にすると結構良い音です。



S メータ



電解コンデンサ交換



仕様&その他