TRIO KT-1000

TRIO KT-1000 をゲット!

2009年8月8日、 HARD-OFF 越谷草加 BP 店で TRIO KT-1000 のジャンク品を1,050円で入手しました。 純正 AM ループアンテナ付です ・・・ ワンオーナーの可能性が高いです。

プライスカードには「FM 受信できましたが、感度がかなり悪いです。」と書いてありました。 こういう物ほどスリルがあって面白いので、ついつい手を出してしまいます ・・・ 病気か?



早速、程度&動作チェック

  1. 外観

  2. 入手した状態のまま電源 ON してチェックしました



カバーを開けてみました

  1. 基板の作りは非常に良いです。 さすが通信機の TRIO と思います。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. IC を使用して合理化が図られています。

    メーカ IC 機能
    FUJITSU MB84002B Dual 4-Input NOR Gate (4002B と同じ)
    MB84013B Dual D Flip-Flop with Set/Reset Capability (4013B と同じ)
    MB84071B Quad 2-Input OR Gate (4071B と同じ)
    MB84066B Quad Analog Switch/Multiplexer (4066B と同じ)
    JRC NJM4560DN Dual Operational Amplifiers
    HITACHI HA11223W PLL FM Stereo Demodulator with Pilot Cancel
    NEC uPC4557C Dual High-performance Operational Amplifiers
    SANYO LA1245 AM Electronic Tuner
    TRIO-KENWOOD TR4011 Pulse Count Detector
    TR7020 Quadrature Detector & IF Down Convert

  3. FM フロントエンドは以下の構成で、5連バリコンです。 KT-1100 と全く同じフロントエンドです。

  4. FM IF 部は以下の構成です。 WIDE 側にゲイン調節ボリュームがあります。

  5. FM パルスカウント検波部 ・・・ 第3世代パルスカウント検波 の構成です。

  6. MPX 部は [HA11223W] を贅沢に2個使った Sample & Hold PLL MPX です

  7. AM 部のフロントエンドは3連バリコンで、高感度が期待できます。 [LA1245] に RF 1段追加した構成です。

  8. 使用 IC のロット番号より、この KT-1000 は1982年製と判明しました。 電源ケーブルの製造マーキングも1982年でした。



修理&クリーニングなど



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 電圧チェック

    手順 TP 及び調整値 備考
    1 [R256 左側] = 標準値 +14V 実測値 +13.39V
    2 [R258 左側] = 標準値 -14V 実測値 -13.25V
    3 [D25 左側] = 標準値 +9V 実測値 +9.07V
    4 [D24 左側] = 標準値 -9V 実測値 -9.13V

  2. FM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 KT-1000 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - SELECTOR : FM
    FM REC CAL : OFF
    MUTING : OFF
    FM RF SEL : NORMAL
    - -  
    2 10.7MHz 90dB
    変調 : OFF
    IF BAND : NARROW L4 T メータ = センター (0V) FM 同調点調整
    (注1)
    3 83MHz 90dB
    変調 : OFF
    83MHz 受信
    IF BAND : NARROW
    FM フロントエンド
    OSC トリマ
    T メータ = センター (0V) OSC 調整
    4 83MHz 30dB
    変調 : MONO 400Hz
    83MHz 受信
    IF BAND : NARROW
    FM バリコンの
    RF トリマ×3
    OSC Buffer トリマ
    S メータ = 最大 RF 調整
    5 83MHz 30dB
    変調 : MONO 400Hz
    83MHz 受信
    IF BAND : NARROW
    FM フロントエンド IFT
    L3
    S メータ = 最大 IF 調整
    6 83MHz 40dB
    変調 : MONO 400Hz
    83MHz 受信
    IF BAND : WIDE/NARROW
    VR1 S メータ = WIDE/NARROW で同一 IF WIDE ゲイン調整
    7 83MHz 90dB
    変調 : OFF
    83MHz 受信
    IF BAND : NARROW
    L6 IC8 (TR4011) 1pin 周波数 = 1.96MHz ダウンコンバート周波数調整
    周波数カウンタで測定
    8 83MHz 90dB
    変調 : MONO 400Hz (100%)
    83MHz 受信
    IF BAND : WIDE
    - オーディオ出力電圧 = レベルを記録  
    9 - - FM REC CAL : ON VR2 オーディオ出力電圧 = 手順8の1/2 (-6dB) FM REC CAL 調整

    • (注1) 手順2の FM 同調点調整では 10.7MHz IF 周波数を SSG で発生させ、直接 IF 部に注入します。 フロントエンド後側の [ANT] と [IF] 端子をクリップコードで接続します。

    • (注2) 手順4の RF 調整は再調整ということで1ポイント法でやっています。 空芯コイルなので完全なインダクタンス調整が難しいのです。

  3. MPX 部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 KT-1000 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - SELECTOR : FM
    FM REC CAL : OFF
    MUTING : ON
    FM RF SEL : NORMAL
    - -  
    2 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : STEREO 1kHz
    83MHz 受信
    IF BAND : WIDE
    FM フロントエンド IFT
    L3
    オーディオ出力 = 高調波歪率最小 IF 歪調整
    ±90度の範囲で調整
    3 83MHz - 83MHz 受信
    IF BAND : WIDE
    VR10 VR10 近くの
    R158 (33kΩ) リア側周波数 = 76kHz±200Hz
    VCO フリーラン周波数調整
    周波数カウンタで測定
    4 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : OFF
    83MHz 受信
    IF BAND : WIDE
    VR11
    L17
    オーディオ出力 = 19kHz 成分最小 パイロットキャンセル調整
    5 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : R ch. only 1kHz
    83MHz 受信
    IF BAND : WIDE
    VR6 L ch. オーディオ出力電圧 = 最小 WIDE セパレーション調整 (L)
    6 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : L ch. only 1kHz
    83MHz 受信
    IF BAND : WIDE
    VR5 R ch. オーディオ出力電圧 = 最小 WIDE セパレーション調整 (R)
    7 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : R/L ch. only 1kHz
    83MHz 受信
    IF BAND : NARROW
    VR7 L/R ch. オーディオ出力電圧 = 最小 NARROW セパレーション調整

  4. AM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 KT-1000 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - SELECTOR : AM
    IF BAND : NARROW
    - -  
    2 600kHz 60dB 600kHz 受信 L12 S メータ = 最大  
    3 1400kHz 60dB 1400kHz 受信 AM バリコンの
    OSC トリマ
    S メータ = 最大  
    4 - - - - 手順2と3を数回繰り返す OSC トラッキング調整
    5 600kHz 40dB 600kHz 受信 L11
    L13
    S メータ = 最大  
    6 1400kHz 40dB 1400kHz 受信 AM バリコンの
    RF トリマ×2
    S メータ = 最大  
    7 - - - - 手順5と6を数回繰り返す RF トラッキング調整
    8 1000kHz 60dB 1000kHz 受信 VR12 T メータ = センター (0V) AM 同調点調整
    9 1000kHz 60dB 1000kHz 受信 VR3 S メータ = 4.5 S メータレベル調整

  5. 調整結果

    1. FM はあちこちズレまくっていました。

    2. FM ステレオセパレーションは 以下となりました。 良好な数値です。

      項目 IF BAND L R 単位
      ステレオセパレーション WIDE 65 67 dB
      ステレオセパレーション NARROW 53 51 dB
      パイロット信号キャリアリーク WIDE -69 -70 dB
      オーディオ出力レベル偏差 (MONO) WIDE 0 -0.28 dB
      FM REC CAL 信号 - -6.0
      375.0
      -5.9
      375.0
      dB
      Hz



使ってみました

  1. デザインは良いのでが、プラスチック筐体がプアさを醸し出しています

  2. 機能関連

  3. 感度や音質



仕様&その他