TRiO KT-1010

TRiO KT-1010 をゲット!

2008年5月21日、私のチューナーページのファンから TRiO KT-1010 の寄贈を受けました。

TRiO ブランド最後に近い、本格的な機種ですが、その実力はいかに???

まずは、外観&動作チェックしました。



カバーを開けてみました

  1. 基板の作りは良く、部品が綺麗に整然と並んでいます。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. フロントエンドは KT-1010F より上です。 性能に直結する部分では KT-1010F よりお金がかかっており、KT-1010 / KT-1010Uのほうが上でしょう。 従って、 KT-1010F は、KT-1010 / KT-1010Uのコストダウン+機能強化版 だと思います。

  3. 電源トランスはチューナー用1個とオーディオ用1個の合計2個も使われています。 ただし、安そうなトランスで、それほど効果あるように思えません。 高級トランス1個のほうが良かったのでは?・・・PR 効果を狙ったのでしょう。

  4. フィラメント電球を4個も使っているのに驚きます。 電球には実測 AC8.2V がかかっていたので、12V 規格の麦球と思います。 いずれ寿命になると思いますが、代替球はアキバの 千石 で80円程度/個で売っている「麦球(透明)12V」で大丈夫と思います。

  5. FM フロントエンド部は5連バリキャップ方式です。 [アンテナ]→[シングル同調]→[Dual Gate FET]→[ダブル同調]→[ミクサ Dual Gate FET]←[OSC Buffer同調]←[OSC同調] の構成です。 同調回路はトラッキング調整できる構成です。

  6. FM IF 部の WIDE 時の構成は [UP-CF]→[uPC1163HA]→[UP-CF]→[LA1231N] です。
    NARROW 時は [UP-CF]→[uPC1163HA]→ [CF]→[CF]→[uPC1163HA] →[UP-CF]→[LA1231N] です。

  7. FM 検波部は DLLD と呼ばれるバランス型 PLL 検波です。

  8. FM MPX 部は uPC1223C を使用しています。 WIDE / NARROW で独立したセパレーション調整ができます。 WIDE 時はセパレーションを左右別々に調整できます。 NARROW 時は左右単一調整です。 本格的なパイロット信号キャンセラー回路も内蔵しています。

  9. FM IF 歪を補正する DCC 回路が組み込まれています。

  10. AM 受信部は LA1245 で全てを行っています。 2連バリキャップのフロントエンド構成でごく普通です。

  11. IC を使用して合理化が図られています。 主な IC は以下です。


  12. 使っている部品のロット番号より、本機は1984年製造品と判りました。 電源ケーブルのマーキングも1984年です。 1984年というと、ブランドが TRiO から KENWOOD に切り換わった年でもあります。 1983年に TRiO KT-1010 が発売され、1984年に KENWOOD KT-1010Uが発売されています。 おそらく、KT-1010 と KT-1010Uは同じものでしょう。



リペア

  1. フロントパネルの黒メッキハゲ・・・黒のタッチペンで補修しました。

  2. 端子類の薄いサビ・・・マイクロ研磨でサビを除去しました。

  3. 天板をサイドで固定する4本の黒いネジにもサビがありました・・・黒の艶消しラッカースプレーで再塗装しました。

  4. 操作ボタンの動作がやや重い・・・フロントパネル分解して僅かにオイルアップして直りました。

  5. 天板カバーのビニール剥がれ・・・ラックに入れると見えないので放置です。

  6. 全体の汚れを OA クリーナーで拭き取りました。



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. FM 同調点の調整

  2. FM フロントエンドの調整

  3. FM IF 部の調整

  4. FM PLL 検波部の調整

  5. FM MPX 部の調整

  6. DCC 部の調整

  7. FM ミューティングレベルの調整

  8. AM 部の調整

  9. 再調整結果



使ってみました



操作方法について



レベルメータ



仕様その他

  1. 取扱説明書

  2. カタログ

  3. 仕様は以下です

    FM チューナー部  
    受信周波数範囲 76〜90MHz
    感度 (75Ω) mono : 0.95uV / 10.8dBf
    S/N 比 50dB 感度 mono : 1.8uV / 16.2dBf
    stereo : 24uV / 38.8dBf
    高調波歪率 wide mono : 0.009% (100Hz), 0.006% (1kHz), 0.03% (15kHz), 0.02% (50Hz〜10kHz)
    wide stereo : 0.04% (100Hz), 0.0095% (1kHz), 0.3% (15kHz), 0.1% (50Hz〜10kHz)
    narrow mono : 0.1% (100Hz), 0.12% (1kHz), 0.3% (15kHz), 0.15% (50Hz〜10kHz)
    narrow stereo : 0.4% (100Hz), 0.3% (1kHz), 1.0% (15kHz), 0.6% (50Hz〜10kHz)
    S/N 比 (85dBf 入力, 90MHz) mono : 98dB
    stereo : 88dB
    キャプチャーレシオ wide : 1.0dB
    narrow : 2.5dB
    実効選択度 wide : 45dB
    narrow : 90dB
    ステレオセパレーション wide : 68dB (1kHz), 50dB (50Hz〜10kHz), 36dB (15kHz)
    narrow : 50dB (1kHz), 40dB (50Hz〜10kHz), 36dB (15kHz)
    イメージ妨害比 95dB (84MHz)
    IF 妨害比 110dB (84MHz)
    スプリアス妨害比 100dB (84MHz)
    AM 抑圧比 65dB
    サブキャリア抑圧比 70dB
    AM チューナー部  
    受信周波数範囲 522〜1629kHz
    感度 10uV
    250uV/m (ループアンテナ)
    S/N 比 (30%変調1mV入力) 52dB
    高調波歪率 (1000kHz) 0.3% (wide)〜0.8% (narrow)
    選択度 30dB (wide)〜50dB (narrow)
    総合  
    出力レベル / インピーダンス FM : 600mV / 1.7kΩ (1kHz, 100% dev)
    AM : 180mV / 1.7kΩ (400Hz, 100% mod)
    プリセットメモリのバックアップ保証時間 3日 (72時間)
    電源 AC100V, 50/60Hz
    定格消費電力 (電気用品取締法) 15W
    外形寸法 440(W)×64(H)×317(D)mm
    重量 3.8kg
    その他  
    発売時期 1983年
    定価 59,800円