TRiO KT-1100

TRiO KT-1100 をゲット!

2009年7月8日、 TRiO KT-1100 のジャンク品を3,700円で入手しました。

TRiO 最後のパルスカウント検波アナログチューナー ってどんなのだろう? ・・・ と興味を持っての入手です。

「電源のみ確認しましたが使えるかどうか分かりません。」とのことです。 なんじゃこりゃ〜。 こういう物ほどスリルがあって面白いので、ついつい手を出してしまいます ・・・ 病気か?



早速、程度&動作チェック

  1. 外観

  2. 入手した状態のまま電源 ON してチェックしました



カバーを開けてみました

  1. 基板の作りは非常に良いです。 さすが通信機の TRiO と思います。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. IC を使用して合理化が図られています。

    メーカ IC 機能
    FUJITSU MB84066B Quad Analog Switch/Multiplexer (4066B と同じ)
    MB84069B Hex Inverter (4069B と同じ)
    JRC NJM4560DN Dual Operational Amplifiers
    NEC uPC1163H FM IF Amplifier
    Panasonic AN6552 Dual Operational Amplifiers (4558 と同じ)
    AN6556 Low Noise Dual Operational Amplifiers (4559 と同じ)
    SANYO LA1245 AM Electronic Tuner
    TRIO-KENWOOD TR4011 Pulse Count Detector
    TR7020 Quadrature Detector & IF Down Convert
    TR7040 Sample & Hold PLL MPX

  3. FM フロントエンドは以下の構成で、5連バリコンです。

  4. FM IF 部は以下の構成です。 WIDE 側にゲイン調節ボリュームがあります。

  5. FM パルスカウント検波部 ・・・ 第3世代パルスカウント検波 の構成です。

  6. MPX 部は [TR7040] を使った Sample & Hold PLL MPX です。

  7. AM 部のフロントエンドは3連バリコンで、高感度が期待できます。 [LA1245] に RF 1段追加した構成です。

  8. 使用 IC のロット番号より、この KT-1100 は1982年製と判明しました。



修理&クリーニングなど



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 電圧チェック

    手順 TP 及び調整値 備考
    1 [Q19-E] = 標準値 +13V 実測値 +13.45V
    2 [Q20-E] = 標準値 -13V 実測値 -13.20V
    3 [Q23-E] = 標準値 +7V 実測値 +7.28V
    4 [Q24-E] = 標準値 -7V 実測値 -7.23V

  2. FM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 KT-1100 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - SELECTOR : FM
    FM REC CAL : OFF
    MODE : MONO
    FM RF SEL : NORMAL
    - -  
    2 83MHz 30〜60dB
    変調 : MONO 400Hz
    83MHz 受信
    IF BAND : NARROW
    FM フロントエンド
    OSC トリマ
    S メータ = 最大 OSC 調整
    3 83MHz 30dB
    変調 : MONO 400Hz
    83MHz 受信
    IF BAND : NARROW
    FM バリコンの
    RF トリマ×3
    OSC Buffer トリマ
    S メータ = 最大 RF 調整
    4 83MHz 30dB
    変調 : MONO 400Hz
    83MHz 受信
    IF BAND : NARROW
    FM フロントエンド IFT
    L2
    L3
    S メータ = 最大 IF 調整
    5 83MHz 40dB
    変調 : MONO 400Hz
    83MHz 受信
    IF BAND : WIDE/NARROW
    VR1 S メータ = WIDE/NARROW で同一 IF WIDE ゲイン調整
    6 83MHz 90dB
    変調 : OFF
    83MHz 受信
    IF BAND : NARROW
    L4 T メータ = センター (0V) FM 同調点調整
    7 83MHz 90dB
    変調 : OFF
    83MHz 受信
    IF BAND : NARROW
    L6 IC4(TR4011) 1pin 周波数 = 1.96MHz ダウンコンバート周波数調整
    周波数カウンタで測定
    8 83MHz 90dB
    変調 : MONO 400Hz (100%)
    83MHz 受信
    IF BAND : WIDE
    - オーディオ出力電圧 = レベルを記録  
    9 - - FM REC CAL : ON VR2 オーディオ出力電圧 = 手順8の1/2 (-6dB) FM REC CAL 調整

    (注)手順3の RF 調整は再調整ということで1ポイント法でやっています。 空芯コイルなので完全なインダクタンス調整が難しいのです。

  3. MPX 部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 KT-1100 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - SELECTOR : FM
    FM REC CAL : OFF
    MODE : AUTO ST
    FM RF SEL : NORMAL
    - -  
    2 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : STEREO 1kHz
    83MHz 受信
    IF BAND : WIDE
    FM フロントエンド IFT
    L2
    L3
    オーディオ出力 = 高調波歪率最小 IF 歪調整
    ±90度の範囲で調整
    3 83MHz - 83MHz 受信
    IF BAND : WIDE
    VR4 VR4 近くの
    R62 (12kΩ) 左側周波数 = 152kHz±400Hz
    VCO フリーラン周波数調整
    周波数カウンタで測定
    4 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : OFF
    変調 : OFF
    83MHz 受信
    IF BAND : WIDE
    VR3 オーディオ出力 = 19kHz 成分最小 パイロットキャンセル調整
    5 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : R ch. only 1kHz
    83MHz 受信
    IF BAND : WIDE
    VR5 L ch. オーディオ出力電圧 = 最小 WIDE セパレーション調整 (L)
    6 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : L ch. only 1kHz
    83MHz 受信
    IF BAND : WIDE
    VR9 R ch. オーディオ出力電圧 = 最小 WIDE セパレーション調整 (R)
    7 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : R/L ch. only 1kHz
    83MHz 受信
    IF BAND : NARROW
    VR6 L/R ch. オーディオ出力電圧 = 最小 NARROW セパレーション調整

  4. AM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 KT-1100 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - SELECTOR : AM
    MODE : MUTE OFF
    IF BAND : NARROW
    - -  
    2 600kHz 60dB 600kHz 受信 L17 S メータ = 最大  
    3 1400kHz 60dB 1400kHz 受信 AM バリコンの
    OSC トリマ
    S メータ = 最大  
    4 - - - - 手順2と3を数回繰り返す OSC トラッキング調整
    5 600kHz 40dB 600kHz 受信 L14
    L15
    S メータ = 最大  
    6 1400kHz 40dB 1400kHz 受信 AM バリコンの
    RF トリマ×2
    S メータ = 最大  
    7 - - - - 手順5と6を数回繰り返す RF トラッキング調整
    8 1000kHz 40dB 1000kHz 受信 L16 S メータ = 最大 IF 調整
    9 1000kHz 60dB 1000kHz 受信 VR11 T メータ = センター (0V) AM 同調点調整
    10 1000kHz 60dB 1000kHz 受信 VR12 S メータ = 4.5 S メータレベル調整

  5. 調整結果

    1. FM フロントエンドが大きく調整ズレしていた他は、それほどズレはありませんでした。

    2. FM ステレオセパレーションは WIDE/NARROW であまり変わりません。 歪率は WIDE のほうが遥かに良いので、通常は WIDE で使います。 良好な数値です。

      項目 IF BAND L R 単位
      ステレオセパレーション WIDE 56 59 dB
      ステレオセパレーション NARROW 56 57 dB
      パイロット信号キャリアリーク WIDE -58 -58 dB
      オーディオ出力レベル偏差 (MONO) WIDE 0 +0.13 dB
      FM REC CAL 信号 - -5.8
      (410.2Hz)
      -5.8
      (410.2Hz)
      dB



使ってみました

  1. 非常にスッキリしたシンプルなやや薄型デザインです

  2. 機能関連

  3. 感度や音質



S メータ



仕様&その他